「助けて、相談部ー!!」
涼村くんの言葉を遮って、また誰かが部室に転がり込むように入ってきた。
「おごっ?!」
その人は涼村くんの腰に激突して彼を吹っ飛ばし、私達の方に飛び込んでくる。
美色がそれを上手く受け止めた。
「わぁ、え、あれ、典美(のりみ)?どしたの?」
助けを求めたのはクラスメイトの庄戸 典美(しょうど のりみ)だった。
黒縁眼鏡がトレードマークの、お堅い美術部員。
学級委員長か風紀委員でもやってそうな風貌の女子だ(七組の学級委員長は私だけど)。
「え、絵がね、盗まれ、手紙……!」
冷静さを欠いた支離滅裂な説明をしだす典美。
相当慌てて混乱してるな。
「典美、とりあえず落ち着いて。ミィ、キナリん、菓子パセットお願い!」
「あいあいさ~」
「かしこまり~」
机と椅子をてきぱきと動かし、こっそりロッカーの中にストックしておいたお菓子を取り出す。
……さ~て、また厄介な依頼っぽいぞー?