入学式で、五十音順に名前を呼ばれる私たち。

「小西空さん」

「はい!」

「西園寺大空さん」

「はい。」

あ、隣の男の子、同じ名前だ。

でも、返事は勝ったもんね。

クラスに帰ると、一通りお話があり、解散となった。

すると

「空ちゃん!よろしくね。」

すっと伸びてきた小さな手。

「よろしくね。」

そう言って、すかさず手を握り返す。

「そらぁーー!」

「「ん?」」

同時に振り返ると、そこにいたのは大空の友達だった。

それに気づいて、顔を赤らめる。

「同じ名前、わかりずらいよね。」

そう言ってニコリと向けられた笑顔は、私より一枚上手だ。

「わかりずらいし、空ちゃんのこと、これからこにちゃんって呼んでもいい?」

恥ずかしくて冷静な判断ができなくなっていた私は、全力で首を縦に振った。