「幸せになりたいんだろ?それなら、怖がらずにぶつかってみろ。それで傷付いたって、いい。逃げてても何も変わらない。変わりたいって思ってお前は変われた。俺に向ける表情が、前とは全然違う。心を開く努力したんだろ」


全部お見通しで・・・・・・


「先生って魔法使いみたい。いや、妖怪かな」

「ははは、妖怪でいいや。お前の後ろにくっついて、守ってやるから。俺が何とかしてやるから、勇気を出して傷付いて来い」

「守ってくれる?」


この安心感はなんだろう。

包み込まれているような。


こういう安心感が欲しかったのかもしれない。


家庭の中にこういう安心感があれば、私はこんなに不安じゃなかった。



「ああ、俺はお前が幸せになるまでちゃんと見守ってやる。たったひとりの母ちゃんだぞ?びびってないで、ぶつかれよ!言いたいこと全部言えばいい。俺が必要なら、いつでも呼べ」



契約書も何もないただの口約束なのに、ものすごく安心して、この約束が破られることはないと確信した。


こういうの、今までなかった。

お母さんとの約束なんて、その場限りだった。



もう彼氏は作らないって言った約束だって、守ってない。

成人するまで結婚しないって言ってたくせに。