立ち上がった先生は、伸びをして、ゆっくりと歩き出す。 「ちなみに、俺もよく授業サボってた」 いたずらっ子のような目をして振り向いた。 お父さんにも似てるけど、おじいちゃんにも似てるね、この先生。 目が合ってしまった。 手が伸びてきて、私の頭に触れる。 「じゃ、またな」 頭に乗せられた手が離れ、先生の黒いジャージ姿が遠くなる。 ずっと見ていた。 その後ろ姿を。 頭ポンポン・・・・・・ 全然嬉しくないのに。 全然そんなの好きじゃないのに。