「いつもラストまでいるよね?」
「あ、はい」
「昔からずーっと、一緒だっだな…」
「ですね」
大月さんも、オレを知っていてくれたんだ…。
「理系?」
「ええ」
オレが頷くと、大月さんは数Ⅲの問題集を1冊、オレの目の前に差し出した。
「あげるよ、これ。結構いい問題が入ってる」
「え、でも…」
戸惑うオレに、彼は静かに微笑んだ。
「ボクはもういらないから」
何度もやり尽して頭に叩き込んだから、もう必要ないのか、
それとも数Ⅲが受験科目にない学部を志望することにしたのか、
わからないまま、とりあえず受け取る。
じゃ、とそのまま背を向けようとする大月さんを、呼び止めるようにオレは言った。
「あの、ありがとうございます」
大月さんの涼やかな目がオレに留まる。
それから軽く頷き、
「さよなら」と彼は小さく微笑った。
「あ、はい」
「昔からずーっと、一緒だっだな…」
「ですね」
大月さんも、オレを知っていてくれたんだ…。
「理系?」
「ええ」
オレが頷くと、大月さんは数Ⅲの問題集を1冊、オレの目の前に差し出した。
「あげるよ、これ。結構いい問題が入ってる」
「え、でも…」
戸惑うオレに、彼は静かに微笑んだ。
「ボクはもういらないから」
何度もやり尽して頭に叩き込んだから、もう必要ないのか、
それとも数Ⅲが受験科目にない学部を志望することにしたのか、
わからないまま、とりあえず受け取る。
じゃ、とそのまま背を向けようとする大月さんを、呼び止めるようにオレは言った。
「あの、ありがとうございます」
大月さんの涼やかな目がオレに留まる。
それから軽く頷き、
「さよなら」と彼は小さく微笑った。