「こっち、座って。少し話が長くなるかもしれないから」 「は、はい……」 「まぁ、それは日下部さん次第だけどね?」 「え?」 クスリ、と。 そこで何故か悪戯っ子のような笑みを零した社長を前に、思わず首を傾げてしまう。 私次第、って……。接待の話、なんだよね? そう疑問に思いながらも、何とか足を前に動かして。 社長の座る黒い革張りのソファーの向かいにゆっくりと腰を下ろせば、高級ソファーならではの滑らかな感触が私の膝裏を優しく撫でた。