「あーっと……この背中のをしめればいいわけ?」



相変わらず真っ赤な永澤くん。



「うん!そーそー。お願いしますっ」



そんな永澤くんに、ちょっと意地悪。


へへ、可愛い。


今キツくて手が届かなかったチャックを、しめてもらってるんだ。


そしたらやっぱり、永澤くんは顔を真っ赤にしちゃって。


今回は、私のSが発動してしまったらしく。



まあ、前いじめられたからね。別にこれくらいいいでしょ。




永澤くんの手が背中に触れる。



「んっ……」

「わ、悪ィ」


「ううん、ごめん、大丈夫。くすぐったくて……へへ」

「そ、そか。気をつける」


「……うん、ありが……ひゃあっ!」

「ごごごめんっ!」



私の大声に反応するかのように、永澤くんも慌てたように謝った。



そんなこんなしているうちにようやくチャックがしまり、

こんな意地悪を企んでいた私でさえほっと胸をなでおろした。




「やっとしまった……」



真っ赤でなぜか息があらい永澤くん。

ふは、面白い。そんなに焦ってどーしたんだろ。



「てかさぁ……」



ひと段落ついたあと、椅子に座り、私の方を向く。