────黄色く染まった銀杏の葉がはらはらと舞い落ちる。







水曜日の放課後の部活は、先生たちの職員会議で帰るのが早い。

だから、今日は一刻も早く家に帰るんだ。



最近、あんず先輩とも話しずらくて。


ちゃんと話せない、そんな自分に腹が立ち、また頭をぐるぐるさせる。


そんなのの繰り返しだ。ホントにやんなる。


考え事をしながら、ふらふらと後片付けをした。


よし、帰り支度しなきゃ。早く帰ろ。てか早く帰りたい。





「詩星ーっ!!いたいたぁー!」



走ってきて目の前で息を切らせる南緒にびっくり。



「ぇああぁっ?!?!南緒っ?部活は?」



私は早帰りだけど、南緒はまだあるはず。

変な声が出ながらも、気にせず続行。

そんな私にも関わらず、悪びれもなくへへっと照れ笑いする南緒。





「具合悪いっつって抜け出してきちった。どーせ今日先生いないし」


「え、いやだって、まずいんじゃ……?もーすぐ大会って言ってなかったっけ?」


心配そうに訪ねてみると、大事大事!とまた笑う。



「てことで、昨日の帰りに言ったお店、行こ!」



強引に引っ張る南緒に抵抗出来ず、そのままズルズルと引きずられていった。


……ちょ、ちょっとぉ~……。


強引過ぎません?いろいろ悩みすぎて辛いから帰りたいんですが(泣)


けど、陸上部の南緒にかなうはずなく。


うわぁぁぁぁ……(泣)