チラッと視線を移すと、────────永澤くん。



「永澤く……ッ?!」



……もしかして、探しててくれたの?



私と目が合った永澤くんは、目を丸くすると、無表情でこちらへとズンズン近づいてきた。


「やっと見つけた……」


そうつぶやいて手をつかまれる。



「……こいつ、俺のなんで」



私を立ち上がらせてから、奏人さんに向かって低い声で威嚇するようにいうと、

狼のような怖い目でにらんだ。



けど、そんな目で言った言葉でも私の心臓をドキドキさせるのには十分で。


……『俺の』。


何回も頭の中でエコーする。


大人っぽい、私をいじめてくるような永澤くんがそんなことを言ったことに驚く。