「……でさぁ、南緒が来る前にぃ、[ じゃ、俺行くから。]とか行って帰っちゃったんだよぉーっ!」



『うぇー、まじかぁー!!気になんじゃん!』



「でしょでしょでしょぉー!」






外は真っ暗。お月さまが出てて、ほかの家はまだ電気が着いてる。



今は南緒と電話で愚痴ってる最中。



抱きしめたお人形の上に前のめりになって、ケータイ片手に、お菓子をバリバリ。



……やば、太るかなぁ。でも今は気にしないもんっ!





「もー目線そらされて。悲しかった……」


『俺のことってなんなんだよ』


「はぁー……。だよねぇ……。気になりすぎて夜も眠れなさそー……」


『おつ』






今日の放課後、昇降口であったこと、全部南緒に話した。


ドキドキしたこと、グサッときたこと、疑問に思ったこと。


いろんなことが起こりすぎて、ため息しか出てこない。


ホントもう辛すぎ……。


永澤くんのことだけで、こんなに豆腐メンタルになっちゃってるよ。


こんなのって、単純かな?


いや、絶対好きにさせた永澤くんが悪い。