まだ朝早いというのに、人々が行き交う駅のホーム。





もうすぐ冬ってことを感じさせないような気温。





突き抜けるような青空。





いつもの土曜日。








────ついに……。

────ついに来ちゃったよ……っ。



この日がっ……!




「なに〜?詩星、緊張しちゃってんの〜?」



となりでニヤニヤ笑う南緒。



……もう、ほんと性格悪いなぁ……。



しょーがないじゃない。だって今日は待ちに待った初めてのデートなんだもん。





「まあ分からなくないけど。……ってか、時間大丈夫かな?あの人たち」



不安気に時計へと視線を落とす。


まつげが長く、肌が綺麗な南緒は、今日はまた1段と可愛い。


お洋服にも、気合い入りまくり。



頭には軽めのニット帽、長い髪をおろしてる。

上は赤チェックのシャツで、お腹のあたりで結んでて。

下には重ねて長い無地のシンプルなワンピース。

靴は……なんだろ、よく分かんないけど灰色の、紐とかチャックがついてない靴に、

靴下は白で上の方に2本の黒い線が入ってる。



……たしかこれって、最近現代の女の子の中で流行ってるコーデだよね?



ま、私はそーゆーのに疎いから、南緒が着てるもの、よく分からないけど。



私のも、南緒プロデュース。



白のパーカーを迷彩柄のスカートの中にインしてて、なんか体操着みたい。



これも最近街で見かけるけど、よく分からん。





やばい、私って、女子力ないのかも。