「……ってことでさ、ダブルデート行こうよ、ダブルデート!」


な、な、な……?

ダブルデートッ?!



突然の提案に頭がついていかない私を気にせず、「うん!」と答える南緒。



そ、そんな、いきなり……。

少女マンガみたいなこと……。



「だってまだ付き合ったばっかだよ?」



お昼休みの教室で、机から身を乗り出す。

今、永澤くんはどこへ行ったのか、教室にはいない。


……当然、西荻くんも。


「関係ないっ!カレカノなんだから、行って当たり前!」


そ、それは、南緒の中での一般常識じゃ?


「でっ、でも、どーやって誘ったらいいか……」


つぶやいて、下を向く。



だって、初めての彼氏なんだよ?

失敗したくないし、嫌われたくない。