《蛍人side》







「おいおいおいー!聞いたぞ蛍人!月乃と付き合ったんだってなぁ?!」


「ったく、モテる奴は羨ましいねぇ♪」


「お前ふざけんなよーっ!どーやって惚れさせたんだ?」





……ったく、邪魔すんなよな。



体育館を出て早々、質問攻めにあう俺ら。


文化祭ってゆーのもあってか、すっごいたくさんの人に見られてる。



いつの間にそんなの聞いたんだよ。

噂広まんの速すぎだろ。




「え、わ、っと、その……」



顔を真っ赤にして挙動不審な月乃は、うつむいてぼそぼそつぶやいた。

……ほら、月乃が困ってる。



「あのさぁ……お前ら、気遣いとかできないわけ?

俺らさっき付き合ったばっかなの。邪魔しないで?」



月乃とつないだ手に力を込めて、ギロっとにらんだ。



「ヒューゥ♪悪ぃ悪ぃ。ごめんね、月乃ちゃん。2人でいる時間、楽しんで♡」



……気安くちゃん付けとかしないで欲しい。



「……行こ」


ぶっきらぼうにいうと、俺は屋上階段を目指した。