────まだがやがや騒がしい、放課後の帰りの会直後の教室。





「蛍人ーぉ!じゃーなぁ!」


「永澤ー明日遊ぼーな!」


「ばいばいー!」






「おー。また明日」







相変わらず結構人気者な永澤くん。






あんなふうに、みんなみたいにサヨナラって言えたらいーのに。




「詩星ぉー!かーえろっ!♪」


「あっ!南緒。うん!」



スクバを背中に背負って笑う南緒。









……あ、クラスの男子の一部が南緒を見てる。




こそこそ話したりなんかしちゃって。



てゆか、あの中にひときわすごいオーラを放ってる人が……。



あれは……同じクラスの西荻 太貴くんだったかな?



鼻がスッと通ってて、整った顔立ち。



背もすらっとしてて、それなりに高い。



目はぱっちりしてて、笑顔が素敵な爽やか系。



優しくて、かっこよくて、まあ、モテるらしい。



そんな人まで南緒に注目してるんだから、ほんとに凄いってことだよね。



……やっぱり可愛いからなぁ。うん。だって女の私から見ても可愛いもん。