《詩星side》














────永澤 蛍人。





……こんな名前が似合う人は、他にいないと思う。









……真っ青な空に少し寒い風が吹く、秋まっただ中のいつもの月曜日。





2―Bの同じクラスで、いつも窓際の席に座ってる。


授業中窓の外を見つめるあの人は、はかなげで、不思議で、ミステリアスで、大人っぽい。


うれい顔で頬杖をつく姿も、遠くをじっと見つめるあの目も、ぜんぶかっこいい。






……それだけじゃない。


一見すると一匹狼みたいだけど、全然違う。


等身大で、面白くて、明るくて、いつもクラスの中心にいるような人で。


休み時間は必ず友達が周りを囲む。




ほんとに男の子なのかなって思うほど白い肌。ふっくらしたほっぺた。



……すき。



大きくて茶色がかかってる目。サラサラの髪の毛。ちょっとちっちゃい身長。



……だいすき。



そしてなんといってもあのくったくのないほわっとしてて可愛い笑顔。



……だいだいだいすき。



そんな子供みたいな人なのに、低い声。

永澤くん特有の耳まで深く優しく響く低音ボイス。



……はあ。もうぜんぶ好きです。はい。


もう、遠くから見つめてられるだけで幸せ。


そんな私の毎日。