遥か~新選組桜華伝~



この刀には、きっとあなたの優しさがつまってる。


鞘をギュッと握りしめていると、沖田さんが私の腕に触れた。


「少しだけ…鞘から抜いてください」


「……はい」


ゆっくりと刀を抜くと、沖田さんも自分の刀を鞘から少し抜き、


キンー…!


刀と刀を十字に打ち合わせた。


「武士が誓いを立てるとき、こうやって刀と刀を合わせるんです」


「誓い……?」


沖田さんはコクン頷くと、顔を上げる。


「強くなりますからー…。

もう二度と、あなたが命を奪わずに済むように。

あなたが笑って生きれるように。

強くなって、必ず……あなたを守り抜きますから」