遥か~新選組桜華伝~



「あなたが戦ったのは僕を守るためです。

それなのに全部一人で背負いこんで、泣いて……

こんなきれいな涙を化け物は流しませんよ」


沖田さんが伸ばした手が、私の目元に触れる。


「遥さんは化け物じゃありません」


指についた雫を見て、彼もまた一筋の涙を流した。


沖田さん……。


「…っ…ぅ」


優しい言葉に、堪えていた涙が溢れて止まらなくなる。


「遥さん……」


沖田さんは指で私の涙をふくと、微笑んだ。


「実は今日。
あなたに渡したいものがあるんです」


そう言って、腰に差していた刀の一本を取り、鞘を私に握らせる。


「これは……」


「護身用の小太刀です。

あなたの実力ならこれで身を守れるでしょう。

石の力を使わなくて済むように、お守りです」


小型で柄も可愛らしい赤色。