遥か~新選組桜華伝~



「遥空!陰陽術を使え!」


遥空が目を見開くのが見え、次には沖田さんが遥空を叩き斬った。


はずが……。


沖田さんが斬ったのは、白い紙だった。


真っ二つになった紙がはらはらと落ちていく。


「なんだ…これは……」


地に落ちた紙を見つめ、沖田さんがため息を吐く。


この紙……。


そっと手に取って、斬れた部分を合わせてみる。


この形は多分、人を表している。


テレビとかで見る陰陽師が使ってる……式紙。


きっと遥空が術を使ったんだ……。


辺りを見回しても、遥空もいなければ、高杉さんの姿もない。


逃げられちゃったな……。


誰もいない橋を見つめていると、沖田さんがゆっくりと近づいてくる。


そして。


何も言わずに私を抱きしめた。