遥か~新選組桜華伝~



「本当の化け物ってのはな……。

人を斬っても何も思わない、残酷なんだよ。

だからためらいなく斬り……殺すんだ。

僕みたいに」


そう言って、沖田さんは着物を掴んだ手を乱暴に離した。


よろりとぐらついて、遥空は一歩下がる。


「くっ…何を思おうと、殺しは殺しだろうに…」


遥空が顔を上げた瞬間。


正面には大きく跳んで、両手で刀を振りかぶる沖田さんの姿があった。


「ちっ……!
貴様のほうが化け物か……」


遥空を見据えたその瞳は、殺意に満ち溢れていて。


「沖田さん……!」


私が両手を握りしめる横を、高杉さんが走って過ぎていく。