遥か~新選組桜華伝~



恐い……。


容赦なく遥空を斬りつけるのを見て、体がガタガタと震える。


沖田さんは血に染まった前髪の間から、ギロリと瞳を光らせた。


「遥さんは化け物じゃない」


「……っ」


ハッとなった。


そうだ。沖田さんは意味もなく人を斬ったりしない。


こんなに怒ってくれるのも戦ってくれるのも、全部私のためなんだ。


気づけばまた涙が零れ落ちていた。


「沖田さん……」


ありがとう。


化け物じゃないって言ってくれて。


「…根拠のない話を…っは…ぁ」


遥空は沖田さんを睨んだまま、ぜぇぜぇと肩を上下させている。


沖田さんはその胸倉を引き寄せ


「わからないなら教えてやるよ」


口角を上げた。