遥か~新選組桜華伝~



遥空の言い分に、私は顔を上げることができなくなっていた。


だって……。


悔しいけど、全部そのとおりなんだもん。


長州の人間ってだけで、幕府の…新選組の敵でしかないのに。


人を殺せる、恐ろしい力を持ってるんだ。


沖田さんに、守ってもらえるような人間じゃない。


人間……?


それさえも間違ってるね。


所詮私はただの化け物なんだ……。


「はぁ…はぁっ」


呼吸を整えながら、一定の間合いを保ち、にらみ合う二人。


ふいにビュウゥと強い風がなびく。


「化け物?
遥さんが……?」


風が淡い髪を揺らす中、沖田さんが静かに口を開いた。