遥か~新選組桜華伝~



「……っはぁ…はぁ」


不規則な息が聞こえて、必死に探し回ってくれてたんだとわかる。


自分だって具合悪いのに……。


腕を掴んでいた手が、そのまま手のひらをギュッと握る。




きっとね。


こんなに想ってくれる人を、私は他に知らない。


姿を見なくてもわかるよ。


この手を握っているのは、誰でもない。


──沖田さん。


あなたしかいない。




「どこ…行こうとしてるんですか。
……遥さん」


低い声が背中に聞こえた。


「沖田…貴様…」


遥空が沖田さんを睨みながら、声を荒げたとき。


「あ……れ……」


急に足の力が抜けて、私は地面崩れ落ちた。


「沖田…さ……」


指はガタガタと震えているけど、自分の意志どおりに動かせる。


術が解けたんだ……。