春風さんがそんなすごい人だったなんて……。
「おいおい、そんな驚かないでくれよ。
長州藩士って言っても、俺は今謹慎中なんだし」
焦った口調で言って、私の腕を掴んで覗き込んでくる。
「それに遥のほうこそ強いらしいじゃん。
その石を使えば、千人の命も一瞬で奪えるんだろ?」
高杉さんの視線は、私の持つ桜華石に注がれていた。
彼の瞳は石への恐怖どころか、強い期待を示しているように見える。
私の知ってる彼は気さくで明るい人だけど、忘れちゃいけない。
高杉晋作は……危険な人だ。
戦に勝つことで倒幕を進めた彼は、戦い好きともされる、過激な思想の持ち主。
これから幕府にとって、彼は大きな敵となる。
「……っ」
何も言えずに高杉さんをじっと見つめた。

