遥か~新選組桜華伝~



怒りに任せて叫んだ、そのとき。


「なーに遥のこと怒らせてんだよっ」


後ろから、ぽんっと遥空の肩に手を置いて覗き込んでくる。


「春風さん!?」


「よっ遥!昨日ぶりだなっ!」


いつの間にやってきたんだろうか。


肩に置いた指をひらひらと動かしながら、微笑む春風さん。


うそ……。


また会えた……。


昨日会ったばかりなのに、鼓動ががドクンドクンと速くなる。


驚きと嬉しさを隠せずに立ち尽くす私の横で。


「邪魔が入ったか」


遥空が低い声で呟くのが聞こえた。


「春風さん、昨日はありがとうございました!」


前に出て頭を下げると、春風さんは目を丸くし「ははっ」と笑う。


「遥は律儀だなー!
大したことはしてないだろっ!」


大きな手で、わしゃわしゃと頭を撫でられた。