遥か~新選組桜華伝~



愕然とする私を横目に、遥空は鼻であしらうように言った。


「気を落とす必要などない。

何千人殺そうが、禁忌を侵さない限り命はなくならない。

貴様はそれくらい強い力を持っている」


「いやっ!」


肩に触れようとした手を、私は強引に振り払った。


「あんな簡単に人を殺せちゃう……。
こんな力…化け物と変わらないっ!」


精一杯睨んで、叫んでも、遥空は顔色一つ変えない。


「……化け物で何が悪い?」


急に両腕を掴まれたと思うと、ガン─ッと背中を橋に押し付けられた。


「長州がいち早く天下を取るためには、力が必要だ。

おまえなら、幕府のふぬけた役人共を倒せるだろう」


真っ直ぐな瞳で訴えてくる。