遥か~新選組桜華伝~



商店街を通り過ぎて、私が向かった場所。


それは……大きな川。


お花見のときの穏やかな河原とは違う。


橋の下を流れる川は深く、勢いもすごい。


手すりを掴んで目を閉じると、ゴーゴーと水の音が聞こえてきた。


深く息を吸って目を閉じる。


心を落ち着かせて、そう。


私にはやらなきゃいけないことがある。


新選組を出ると決めたとき、私はもう一つ大きな決心をしたんだ。


それは桜華石を誰の手にも渡らないようにすること。


大きなお城も、森の中も、人の手が届く場所には隠せない。


私が持っていても、誰かに奪われてしまうかもしれない。


だから私は、この川に石を捨てることに決めた。


この橋から落ちたら、きっと生きては帰れない。