「ケホッ…ゲホ…ッ!」


うつむいたまま、口に当てた手を真っ赤に染めている。


「総司!」


しゃがんで覗きこむと、総司の顔は真っ青だった。


「おい!大丈夫か!」


「ひじ…か……ゲホッゲホゴホッ」


「喋らなくていい!」


意識を保っているのが、やっとの状態に見える。


なのに、総司はしきりに俺のほうに手を伸ばしてくる。


こいつは何を……。


「………っ!」


総司の手は、俺が持っていた桜華石に触れていた。


「遥…さんを……」


総司……。


必死な目が、俺の推測を確信へと導いた。


やっぱり遥は石の力を……。


総司の両肩を勢いよく掴んで、目を合わせる。