遥か~新選組桜華伝~



「沖田さんっ!!」


夢中で叫ぶと、沖田さんはゆっくりと顔を上げる。


「遥…さん…?どうし……ケホッゲホッ」


胸を強く押さえ、もう片方の手を口に当てた。


「ケホッゴホッ…ッガハッ」


その手も顔も着物も、真っ赤に染まっている。


もう…血を吐いてしまっているんだ……!


「沖田さん…!」


駆け寄ろうとすると、沖田さんを囲んでいた男達が前に立ちふさがった。


「おっと、ここから先へは行かせないぜ!」


ニヤリと笑ったかと思うと、三本の刀が次々に向けられる。


「……っ」


襟から除く肌にピタリとつけられた刃先。


「あいつの女か?ずいぶん上玉じゃねえか」


「……やめてください!」


キッと強く睨みつけると、男は一度刀を下ろす。