遥か~新選組桜華伝~



結局、最初の予定どおり、池田屋まで送ってもらうことになった。


春風さんの背中に続き、暗い夜道を走っていく。


「新選組だとわかってて、どうして私を送ってくれるんですか?」


ふと、気になっていたことを問いかけてみた。


「池田屋にいる奴らが、心配だったから?」


「そ、それは……」


今頃、池田屋にいた人々は……。


うつむく私を見て、春風さんは可笑しそうに目を細める。


「ははは、嘘に決まってるだろ。
元々馬の合わない奴らだし、どうなるかも遥空から聞いてる」


「誤魔化さないでくださいよ!
本気で聞いてるのに……!」


「おまえのことが気になったから」


「え?」


振り返る春風さんは、真剣な目をしていた。


それはどういう……


「遥空がおまえのことを、よく話していてな。

どんな子か知りたくなるじゃないかっ!」


「な、なるほど…!」


そういうことね。


気になったって言われたから、ドキッとしちゃったよ…!