遥か~新選組桜華伝~



そのとき。


ガラッ


襖が開いて、座り込んだままの姿勢で顔を上げる。


「甘味をお持ちしました」


お餅を乗せたお盆を持った、女の店員さんだった。


「あ……」


「…お客様?」


不自然に座り込む私を見て、女将さんは首を傾げた。


「すみません……。
私、もう帰ります……!」


新選組(みんな)のところに行かなきゃ。


無事を確かめなきゃ、心配で、いてもたってもいられない。


急いで立ち上がり、店員さんの横を通り過ぎたとき。


「た、大変だあっ!」


男の人が大声を上げながら、店に飛び込んできた。



「池田屋に…新選組が奇襲した…!

あいつら…人を斬りまくってる……!」