遥か~新選組桜華伝~



『ゆっくりしていってください。
そういえば、今夜は町に近づかないほうがいいですよ』


『どうしてだァ?』


『出回ってるんですよ、新選組が』


え!?


おそるおそる壁に近づき、耳を寄せる。


『日が暮れた頃から、町中誰かを探し回っているそうです。

大勢で、それも武装までして……』


『十中八九、誰かを斬る気だろうなァ』


『恐ろしい話ですね……』


どういう…こと……。


足がすくんで、壁に手をついたまま、畳に座り込んでしまった。


ガクガクと体の震えが止まらない。


新選組が、人を斬ろうとしている?


遊郭に行ったんじゃなかったの……?


「土方さん……」