「お前の必要なもんはこれくらい?」
「うん」

「…じゃあ今度は、食品売り場だな」
「・・・なんで」

「作ってくれんだろ、晩飯」

…そうでした。買い物に集中していたので、すっかり忘れていた。

「何が食べたい?」
「ん~なんでもいい。しいて言うなら、お腹一杯になるもんがいい。腹減った」

・・・その言葉に、司をマジマジと見つめると、。

…明らかに仕事帰り。スーツ姿なわけで。

・・・仕事で疲れているにもかかわらず、私の為に、色々と動いてくれてる。

「司、ありがとね」
「…なんだよ、気持ち悪い」

「・・・」

人が素直にお礼を言ってるのに・・・
私は、ジト~っと、司を見据える。


「ったく。ほら行くぞ。俺の腹がくっつく」
「///!!」

突然私の手を取った司は何事もないように食品売り場に向かう。

…ドキッとしてしまったのは、私だけだろうか。

…司の手があんまり大きくてあったかかったから。・・・男の手だなって、思っただけよきっと。

そう自分に言い聞かせた。