真っ赤な顔になる私を、満足そうな顔で見つめた司は。

「お前って、本当、男に免疫なさすぎだよな」

…と言った。

「…煩い」

真っ赤な顔のまま、そっぽを向く私。

それを見て、司はクスッと笑うと、私の頭を優しく撫でた。

「今日は、朝一で取引先に行かなきゃならないから、もう行くわ」
「・・・え?・・・あ、うん。行ってらっしゃい」

「…ん。・・・行ってきます」

そう言って、再度私の頭を撫でた司は、一足早く、仕事に向かった。

…やっぱり、エリートは違うな。改めて思った。

うーん、と、背伸びをした私も、ようやく動き始める。

…ふと、目に留まったテーブルの上。

…司って、意外にマメなんだよね。

朝、私が起きられない時は、こうやって、しっかり朝食を作っていってくれる。


「・・・いただきます」

その朝食を、ありがたくいただく。

・・・仕事が出来る上に、こんなにマメな人だと、私には釣り合わないんじゃないかと思ってしまう。

…女子に、モテるわけだ。