「…ヤバい、すっげー嬉しいんだけど」
「…あ、ちょ、司…」

私をぎゅっと抱きしめたかと思うと、今度は雨のようなキスが降ってきた。

…まだ、仕事中。

「つか…さ」
「…朱莉…すっげー、好き」

こんなに情熱的な司を初めて見た。

「…あれ、会議室鍵かかってんだけど」

その言葉に私たちは動きを止める。

「…会議の準備できねーじゃん、ったく」

「つか…!」

言葉を発しようとして、司に口を押さえられた。

「…シー」

そう言ってウインク。

…間もなくして、廊下にいた人たちは鍵を取りにいなくなり、ため息をつく。

「…会社でイチャつくのって、癖になるかも」

「…っ‼︎もう、バカ!」

私の顔が真っ赤になったのは、言うまでもない。