司の答えに、社長は溜息をついた。

「…1年にせよ、4年にせよ、彼女と共に、生きようよと思うなら、全てを打ち明けることだな。…その時、彼女が出した答えを、お前は真摯に受け止めるんだ。別れるのか、一生添い遂げるのか…お前がこの会社のトップになる事は避けられない。そんなお前の全てを、彼女が受け入れてくれるなら、私は笑顔で祝福しよう」

そう言った社長の表情はとても穏やかで、今だけは、社長ではなく、父親の顔をしていた。

「…朱莉なら、きっと、受け入れてくれると信じています」

「自信たっぷりだな…まぁ、頑張りなさい。上手く行った時は、是非、私にも、紹介してくれよ」

「はい、必ず」

司の言葉に頷いた社長は、自分の仕事に取り掛かる。

司も一礼して、社長室を後にした。

…、司は、朱莉の事を想った。

愛してやまない、愛おしい人。

朱莉は必ず自分を受け入れてくれる。

その時は、生涯をかけて、彼女を守り抜こうと心に決めた。