黒澤進也は、戸惑いを隠し切れていない担任に案内されて一番後ろの席に着く。 あたしはその間、これでもかってくらい黒澤進也を凝視していた。 こいつ…本当に何なの。 百歩譲って発言には触れないとしても。 最初見た時は…世の中のことを何もかも知ってそうなくらい、大人びた外見。 なのに笑うと…。 この世界の汚れた部分なんか、何も知らないとでも言うような。 子供みたいに無邪気な笑顔。