「んっ、んぅ〜」
く、苦しい。
押しつぶされそう……。
クラス発表の紙が貼ってある黒板の前は、一年生の群があって、これから見に行く人、見終わって教室に向かう人の二種類の人たちでとんでもないことになっていた。
それに、あたしは一五〇センチとチビ助。
どでかい男子に押しつぶされながら、群からやっとの思いで出た。
──いや、弾き飛ばされた。
何はともあれ、群から無事に出られて一安心、一安心────
「っギャッ!」
重い。
重い、重い、重い……!!
何が乗ってるのかわかんないけど、背中が押しつぶされそう……!
あたしの小さい胸がなくなるっ……!
「う、うぅ、重い……」
やっと声を絞り出す。
「おわっ!? ごめん」
背中がふっと軽くなると、あたしの目の前にごつごつした手が差し出された。
「あっ、ありがとうございます……」
その手を握り、立ち上がってそのごつごつした手の人を見上げた。
……………………!!!!!!!!!
何、この人。
え、何、この顔。
「すいません、おでも弾き飛ばされちゃって……」
「あ、はは。大丈夫ですよぉ。おほほほほほ」
ニキビ面、デブ、おじさん、目が米粒、豚鼻、短足、汗っかき……。
こんなんに乗っかられてたのか、あたしは。
寒気してきた。
普通、こういうのって結構なイケメンが手を差し出して、席が隣とか、違うクラスで友達の紹介で名前知って、そっから青春ラブストーリーがスタートするってもんじゃないの?!
なのに、何この豚!?!?
入学早々なんなの、もぉ~~~~!!!!


