「ひとりなんて、つまんないじゃん」
「でも、良く思われてない子といるより全然いいよ」
「わたしと一緒にいたくないってこと?」
「うん。友達やめていいから」
その冷え切った目を見て、何も言えなくなって黙ると、
「もう話すことないよね?ごめんね。ありがとう。心配してくれて嬉しかった」
立ち上がった梨花はドアの方へとゆっくり向かった。
「ひとりなんか簡単に言わないでよ」
「えっ?」
「わたしは……わたしは嫌だよ。ひとりなんか嫌」
わたしの言葉に梨花が背を向けたまま、立ち止まる。
「わたしは、誰かと繋がってるって思いたい。ひとりだなんて絶対、思いたくない」
言いながら、彼女の背中を見つめた。
彼女の小さな肩には降り積もった寂しさがある気がした。
見えないから、そう感じた。
だって、なんか哀しい。ひどくひどく哀しい。
「梨花が、どれだけ辛かったなんてわたし、わかんないけど。
今もひとりだなんて思わないでよ。
わたしは、亮太のことが好きだったよ。
確かにひがんでたよ、梨花のこと。
大好きな亮太と付き合えて羨ましくて、憧れてて。
自分が惨めで……惨めで仕方なかった」
「そっか。やっと言ってくれたね」
「だけど……だけど、わたしたちの3年間って、それだけじゃなかったでしょ?
色んなことしてきたじゃん。
色んな話してきたじゃん。
亮太の話をしなかったかもしれないけど、わたしはちゃんと梨花と付き合ってきたつもりだよ。
だから、喧嘩できたんだと今は思ってる。
それなのに、ひとりだなんて思わないでよ」
拳に自然と力が入ってた。



