「会えて嬉しいよ、那瑠。 立派な高校生になってて安心した。」 「安心した、って...」 「引っ込み思案だったからなー、那瑠。 面接とかちゃんと受けられたのか?」 「うっ... が、頑張ったもん...」 思わずそういってうつ向くと、クスクスと笑い声が聞こえてきた。 「拗ねるなよ、せっかく会えたのに。」 「っ...」 なんで、そんな甘い言葉を私に吐くのだろう。 暁兄ちゃんは知らないんだ。 私がまだこの“想い”を忘れられていないことを。