フリージアとアスチルベ



「失礼します...」

「誰もいないから安心して。
好きなところ...っていってもそんなに場所ないね。まあ適当に腰かけなよ。」


先生に言われるがまますぐ横にある椅子に座ると、先生は私の近くまで椅子を持ってやってきた。


「久しぶりだね、那瑠。
すっかり大人になったな。」


そういって私の頭を撫でた。
優しく、コワレモノのように。


「やっぱり、暁兄ちゃんだ...」

「うん、暁兄ちゃんだよ。」

「先生になれたんだね...」


思わずそんなことを言うと、撫でていた手を止め、髪の毛をグシャグシャにしてきた。


「わ、やめてよ!」

「そんな生意気なこと言うやつにはお仕置きだ!」

「ちょ、ごめんなさい、やめてよ~!」

「ったく...
俺が先生になれないわけないだろ!」


そういいながら、今度は私の髪を優しく撫でる。