「...っ」

まだ、颯人の言葉が頭の中を回っている。
すぐ会える―――というのはどういう意味なんだ。

「悠ちゃん...」

心配そうに裕美が俺に話しかける。

「そういえば悠ちゃん昔から颯人が嫌いだったよね...ごめんね」
「...え...」

意外だった。女の中では裕美が一番颯人と仲がいいはずだったのに。
見ていてくれたのか、なんて。くだらないことが頭をよぎる。

ドーン

急に鳴り響いた音。

「花火...早くねぇか」
「確かに。今5時30分だよ、本当なら6時のはず――――」

その時、どこからかアナウンスが。
多分、よくある告白みたいな感じのだろう。

『えー、颯人さんですね』
「え?!」

驚いた。こんなことを仕込んでいたなんて。


『では、読みますね~』
「嫌だ...嫌だ...」

実は、颯人と俺の間にもある"関係"がある。
それは裕美とも繋がっている。

あいつがアメリカへ引っ越した時は本当にホッとしたのに――――――。


『悠。裕美はわたさない、俺のものだ。お前らがどこへ行こうが、追いかけてやる』
「颯人...。どうしてそんな...」

裕美も結構怖がっている。

『これって恋の宣戦布告ですか、キャー、裕美さん羨ましい』

なんてアナウンスがなるなか、急いで施設へと帰った。