「...ま、せっかくだし楽しむかな」

そう言って俺は裕美と騒ぎだした。

気づけば夕方。

「もう遅いしな、送って行くよ」
「いやいや、送って行くっていっても同じ施設だしね」

そんな他愛無い会話をしながら駅へと向かう。
今日は久々にスッキリしたな。

「あっ、悠ちゃん。夏祭りだって、花火やるって。行こうよ」

裕美が夏祭りのお知らせの張り紙を指差して
俺に笑いかける

「夏祭り?いつだよ」
「明日だよ、行こうよ悠ちゃん」

俺は少し悩んだ。
こんなに彼女を甘やかしていいのか?
でも折角の夏だし祭りくらい...

俺の中の小さな俺が問いかける。

「...行くか」

気づけばそう口に出していた

「よしっ決定だね」
「は?!今のは間違いで―――」

もう彼女は行く気満々だ。
これは行くしかなさそう...だな。

俺たちは今歩いてる道を右の曲がって
施設へと向かって行った。