これは、2人が出会って間もないころのお話―――――。




「えっと...颯人君、でいいの?」

友達の紹介で出あった女の子、由梨ちゃんに俺は

(可愛い…)

一目ぼれしてしまった。

「う、うんっ!じゃあ、由梨ちゃん...かな?」
「ふふっ、由梨でいいよー」

その姿、声、仕草、すべてが愛おしい。

はっ

いけない、またいつもの癖で"自分のモノ"にしようとしてしまう。
しかもあってすぐの人に。

「こっ、今度ゴハン行かない?俺のおごりでいいからさ」
「わ、いいの?嬉しい!行こうっ」

でも、浮かれるのもつかの間、衝撃の告白。

信じたくなかった。



「――――――えっ、由梨って男だったの?!」
「うん、本当は(由兎っていうんだ。秘密ね」
「かっこいい名前ー!!」

笑って見せたけど、本当は泣きたかった。
まさか、男だなんて...



本当、嫌になっちゃうな。


まぁ、これからは友達としていても...いいかもな。




「――――――なんてな、」
「ん?颯人どした?」
「るせー」
「はぁ!?何よそれ!」


夏の想い出 番外編完