「...え」

それは、期待してもいいってこと......な、わけないか。
裕美に限ってそれはない。

「ま、ほら。昔からの付き合いだし。」

ほら。こうやって。

「...悠ちゃん?行こう。」
「あぁ...」

そのとき、颯人の方をみたら、小さく舌打ちしたように見えた。
これは―――――裕美が危ないかも。


「ねぇ~悠ちゃん、さっきからカリカリして。どうしたの」
「なんでもねぇよ、少なくともお前が原因ではない」

颯人の舌打ち。気になる。
悪い予感しかしない。

「なぁ、裕美」
「ん、何。どしたの悠ちゃん」

ここは裕美に警告すべきなのか。
いや、した方がいいか。ずっと一緒ってわけでもないしな。

「あの...颯人に気をつけろよ。」
「え。」
「鈴とか緋香里とか同じ方向だろ、一緒に帰れよ」
「何で...」
「いいから」
「う、うん...分かった。」

でも、今一番の問題は――――――――







―――――――まだ夏休みが残ってるという事。