「よぉ、悠。」

聞きなれた声が耳に入る。

「颯人―――――――!?」
「何で颯人がここにいるのっ!?」

まぁ、もちろん驚くわな。
すぐ会えるってこういうことか。

「よろしくな、裕美」

そういって颯人は裕美の肩に手をのせる。

パシッ

「え」
「裕美...」

裕美が颯人の手を振り払った。
どうして。さっきまで楽しそうに喋ってたじゃないか。

「もうアンタとは関わらない。颯人、アンタとは一生口なんか聞かないから!!」

廊下に響き渡る裕美の声。

「は。いきなりどうしたんだよ、裕美」
「さ、悠ちゃん行こう。」

颯人の言葉なんか無視して裕美は俺の手を引く。
本当にどうしたんだ――――

部屋の前まで来て俺は裕美に問う。

「なぁ...お前どうしたんだ。颯人を無視して。」
「えっ、気づいてないの。悠ちゃんが颯人を嫌うからだよ」

裕美が颯人を無視するのは俺のせい?

「別にそこまでしろとは言ってないけど...」
「いいの、悠ちゃんの為なら」