(あ、誰かいる。) 今も見知らぬ男の子が『空き地』から景色を眺めている。 と、いっても見えるのは後ろ姿なので『眺めている』というのは、 私の妄想だ。 (雨降ってるのに、傘差してない。) はじめは強かった雨は、少しずつ弱くなってきている。 そんな中で傘も差さずにそこにいる男の子は、どこか悲しそうで── (不思議な人・・・) 少し不思議で、少し悲しそうに見えるのも 私の妄想が作り出したオーラだろうか。