校舎を後にしたものの私と棗君の間に会話はない。







沈黙がずっと続く中、先に沈黙を破ったのは棗君だった。











「ゆっちゃん…ごめん」





その言葉に私は耳を疑ってしまった。








いま…謝ったのは棗君……だよね……








「…俺別にゆっちゃんが浮気してるとか疑ってないよ」




そう聞いて私は固まる。








「え…だって前あんなに怒ってたのに……」







色々言われたのを今でも覚えてる…








「俺のゆっちゃんに他の男のマークついててすげームカついた」






だから思ってもないこと言った、と棗君は私に言った。