「須知ちゃん、結構美人に撮られてるじゃん。

『コールセンターの紅一点、キュートな新入社員・須知紬さん』、だってさ!」

辻本さんが見出しを読みあげる。

きゅ、キュートって…。

椎森さん、ちょっと言い過ぎやしませんか?

「おっ、蔵野からLINEだ。

えーっと…アハハ、あいつも今月号の『名取通信』のことを言ってるよ。

『近所に住んでるかわいいお嬢さんって感じがする』、だってさ」

スマートフォンを見ながらそう言った辻本さんに、
「近所に住んでるかわいいお嬢さん、か…。

確かに須知ちゃんはそんな感じだね」

内場さんがわたしに視線を向けた。

「言い過ぎですよ。

何ですか、近所に住んでるかわいいお嬢さんって」

わたしはやれやれと息を吐きながら答えた。