名前が3文字?

辻本さんは紙とボールペンを取り出すと、そこにサラサラと何かを書き出した。

『辻本 工

 内場 新

 須知 紬』

…ホントだ、名前が3文字だ。

と言うか、2人の名前ってこんなんなんだ…。

「名前が3文字だから須知ちゃんをこの部署へ呼んだってところかな」

ボールペンをクルクルと回しながら、辻本さんは答えた。

そんな理由で、ですか?

何とも言えない理由に戸惑っていたら、
「まあ、そう言う訳だからよろしくね?」

辻本さんが言った。

「仕事はないに近いけれど、何かわからないことがあったら聞いてね」

内場さんが言った。

「は、はい…」

わたしは呟くように返事をすることしかできなかった。

とりあえず、わたしの人生は一体どこで間違ったと言うのだろうか?

想像とはあまりにも違い過ぎるわたしのオフィスライフがスタートしたのだった。