まるで、熟した林檎のような恋でした。






「……あいつ、変なところで行動力発揮するよな」



階段のあるほうに曲がった背中に、遥陽は呆れたように息をつく。


4本になったペットボトルをしっかり抱えて、中庭を目指した。



「羨ましいよ」



羨望と憧憬と、それから少しの嫉妬。

ぐっちゃぐちゃに溶け合った独り言は、俺には露ほども聞こえない。





急げ、急げ、急げ!


階段を駆け上がって、2階へ行く。



目的地は、廊下の一角。

小佐田のいた場所。



自分がこんなに情熱的になるなんて、思わなかった。


恋って、怖い。

他にはどんな魔法をかけるつもりなんだ。